「笑顔で“ただいま”が言えた日」

知的障害のある若者と共に

 最初にお会いしたとき、Aさんは声が小さくて、人の顔をなかなか見られない子でした。
 家庭では引きこもりがちで、ご家族も不安を抱えながら見学にいらっしゃったのを覚えています。

 最初の頃は、生活のルールや人との距離感がうまくつかめず、レクリエーションも遠巻きに見ているだけでした。

 でもある日、一緒に壁面飾りを作る時間に、彼がそっと手を伸ばして折り紙を選んだんです。
 それが「関わり」の第一歩でした。

 今では「今日の晩ご飯なんですか?」と、にこっと笑って聞いてくれるようになりました。
 職員に対しても、他の利用者さんに対しても、少しずつ距離を縮めていく姿に、私たちも毎日励まされています。

 この仕事のやりがいは、「昨日より今日、今日より明日」と、小さな成長を一緒に見守れることだと実感しています。

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