「一人暮らしなんて無理だと思っていた」
娘の成長と、私の気持ちの変化
娘は中度の知的障害があり、ずっと実家で暮らしてきました。
小さい頃から身の回りのことはゆっくりしか覚えられず、私は「きっと一生そばにいてあげなきゃ」と思っていました。
そんな娘が成人を迎えた頃、相談支援専門員さんから「グループホームという選択肢もありますよ」と勧められました。
正直、「うちの子に無理じゃないか」「他人と生活なんて…」と不安ばかりでした。
でも見学してみると、スタッフの方が本当に丁寧で、“できないことを叱る”のではなく“できたことを一緒に喜ぶ”空気があったんです。
娘も、「ここ、楽しいかも」と笑顔を見せてくれました。
最初は週末だけの体験入居から始め、半年かけて少しずつホームに慣れていきました。
今では自分で洗濯機を回し、買い物にも挑戦し、自分の生活に少しずつ自信をつけています。
実家にいた頃よりも、娘の笑顔が増えた気がします。
あのとき、「手放すこと=見放すこと」ではないと気づけた自分に、少しだけ感謝しています。


